「ギルド」は1950年代に発足したブランドです。重くてゴツい、バキっと鳴る、といった特徴が「男性的」と解釈され、支持を集めました。特に勢いのあった1960~70年代にはマーチン、ギブソンと並んでアコースティックの「三大ブランド」と呼ばれました。また、工場の移転で北アメリカ大陸を3回横断したブランドでもあります。今回は、このギルドに注目していきましょう。
森 恵 / 残酷な天使のテーゼ COVERS Grace of The Guitar+ トレーラー(Vol.8)
ギルド女子代表、森恵(もり・めぐみ)女史は、日本人として初めてギルドとエンドースメント契約を締結したアーティストです。演奏技術、アレンジ力、歌唱力、そして美貌に恵まれており、「天は二物を与えず」という格言の信憑性が疑われます。
ギルドの歴史は1952年、ミュージックショップを経営するアルフレッド・ドロンジ氏と、エピフォンの副社長だったジョージ・マン氏によって「Guild Guitar Company」が立ちあげられたことから始まります。当時のエピフォン社内は、初代社長が亡くなって以来バタバタしていました。工場をニューヨーク州マンハッタンから移転する話もありましたが、それを嫌がった職人たちが一斉に退社、今までの工場を買い取り、新たなギターメーカーとして立ち上げられたのがギルドだったわけです。工場移転をまぬがれたギルドでしたが、フラットトップもアーチトップもすぐに人気が出て、生産体制を拡大しなければならず、1956年、工場を数年後にニュージャージー州ホーボーケンへと移転しました。
移転から10年経過した1966年、ギルドはアヴネット社に買収され、工場はロードアイランド州ウェスタリーに移転します。1969年に開催された「ウッドストック・フェスティバル」のオープニングで伝説的なステージを見せたリッチー・ヘイヴン氏がギルドを使っていたことから、ギルドの注目度は一気に上がります。多くのミュージシャンがギルドを手に取り、ギルドは「三大ブランド」の一角と呼ばれました。
Richie Havens Sings “Freedom”
フォークシンガー、リッチー・ヘイヴン氏は、親指で押弦する独特のスタイルを持っています。ウッドストックの現場は、交通渋滞のせいでヘイヴン氏の次がまだ到着していない、という修羅場でした。氏は次の出演者が来るまで、ステージを引っ張るのを余儀なくされました。観客からのアンコールに恵まれつつ、持ち曲を全て使い果たし、最後の最後で即興的に歌ったのがこの「フリーダム」です。
1995年にはフェンダーがギルドを買収、ウェスタリー(東海岸)の工場は2001年にカリフォルニア州コロナ(西海岸)へと、また2004年には同じ西海岸のワシントン州タコマへ、2008年にはコネチカット州ニューハートフォード(東海岸)へと移ります。2014年にはクラシックギター/ウクレレ大手、コルドバ社がギルドを買収、工場はカリフォルニア州オックスナード(西海岸)へと移動して、現在に至ります。現在ではハイエンドモデルをUSA工場で作り、低価格モデルは全てアジアの提携工場で作っています。
Goo Goo Dolls – Iris [Official Music Video]
この曲「アイリス」は、ニコラス・ケイジ氏主演映画「シティ・オブ・エンジェル」にて挿入歌として使用され、グーグードールズ最大のヒットとなりました。
ギルドのギターには「ゴツい」「いかつい」といった硬派なイメージがあります。これは1960~70年代のギルドが、まさにそういう楽器だったことに起因しています。直線や鋭角を多用した意匠に加え、サイド&バックには合板を使い、ブレーシングはスキャロップしない、という頑丈で重たいギターだったのです。特に70年代以降は工法の改定によって、その頑丈さが跳ね上がったと言われています。頑丈なギターは新品状態だとまだ渋い鳴りですが、弾き込んでいくにつれて力強い音が豊かに響く素晴らしい楽器へと成長します。コレがギルドの魅力でした。
とはいえ現代では、新品の時点である程度の鳴りが得られることが求められています。現代のギルドではそうしたことからブレーシングにスキャロップを入れ、またサイド&バックに単板を使用するなどのアレンジで、現代の感覚で受け入れやすい、軽くて鳴りの良いギターもリリースしています。
ギルドは1950年代、買収を避けたエピフォンの職人が作るブランドとしてスタートしました。それゆえギルドのギターは、エピフォンで見られる都会的な雰囲気を受け継いでいます。ギルドのルックス上の特徴を見ていきましょう。
OM-240CE:ヘッド
ギルドのロゴは縦の線が並ぶような、大変印象的なデザインです。このロゴが好きでギルドを選ぶ人もいます。この平行な直線を利用したクッキリとした意匠は、50年代におけるアメリカのデザインの特徴だといわれます。
ヘッドロゴの直下に輝く「ピーク&シールド」インレイも、ギルドの象徴です。逆三角形とギルドの「G」を組み合わせたシンプルさですが、印象に残りやすい、たいへん秀逸なデザインです。現在のラインナップではメイドインUSAの50番台でのみ採用される、最高グレードを象徴するアイコンとなっています。
D-40E:ピックガード
大型の「D」と「F」では、ブリッジとピックガードのデザインが特徴的です。ダウンベリー型のブリッジは、ふくらみ部分の両脇にツノを持つ、他とは違う形状です。また、ピックガードはボディ外周を意識するかのような、ヘッド側が張り出した形状です。これらはシンプルでありながら印象的で、ギルドを象徴するデザインとなっています。
合板をプレスしてアーチ状に仕上げたバック面「アーチバック」は、ギルドUSAの「F55メイプル」シリーズおよびウェスタリー・コレクション「アーチバックス」で見られます。ギルドはジャズ用のアーチトップからスタートしており、そのノウハウをフラットトップに応用した形です。
しっかり成型されたバック材はそれ自体で形状を保持でき、バック側にブレーシングを必要としません。そのためバック面が骨組みに邪魔されず大胆に振動し、迫力のあるサウンドが得られます。この構造はヴィンテージ・ギルドに見られる特徴でもあり、それゆえこの「アーチバック」はかつてのギルドを現代に伝える構造だと言えるでしょう。
DS-240 MEMOIR
ギルドは、ドレッドノート(D)とジャンボ(F)、および12弦が特に支持されたブランドです。それゆえ定番の「D」およびボディ幅17インチという大型の「F」がギルドの看板で、この2モデルで12弦モデルや木材を変更したモデルなど、バリエーション豊かなラインナップが展開されています。
Guild F-512 Maple Demo by Trevor Menear
サイド&バックにフレイムメイプルを使用した「F-512メイプル」。ギラっとしたギルドのサウンドに12弦のキラキラ感が加わった、力強くも美しいサウンドです。
ギルドの主要4タイプの寸法は、ライバル企業のギターよりちょっと大きめです。ここで4タイプのボディ寸法をチェックしてみましょう。アジアで生産される「ウェスタリー・シリーズ」の寸法を先に紹介しますが、USAでは若干異なります。最大幅と最大厚のみのシンプルな比較ですが、有名なギターとも比べてみましょう。
ギルドは総じて、でっかいギターだということが分かりますね。特にUSAの「F」は、有名メーカーのレギュラー生産機としては世界最大級のサイズです。DやFでは重量のあるダブルアクションのトラスロッドが使用されることも多く、「デカくて重い」ギルドは健在です。弦長については標準的で、Mが24.75インチ、OM、D、Fは25.5インチです。
では、ギルドのラインナップを、シリーズごとに見ていきましょう。歴史のあるブランドだけに現状でかなり膨大ですが、整理して見ていけばだいたい大丈夫です。なお、モデル名に添えられる「C」はカッタウェイあり、「E」はピックアップ&プリアンプを備えるエレアコ仕様を意味します。
《屹立する、老舗のプライド》GUILD(ギルド)のエレキギターについて – エレキギター博士
ギルドのアコギを…
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