
録音してみたけど、いつも自分が弾いている音と違うような気がする・・・?そんな経験はないでしょうか。
特に生楽器の録音は、どうやって録るか、何を使って録るかで音に違いが出ていきます。
いろいろな方法、またいろいろな道具を試すうちに、欲しかった音にたどり着くことができるわけです。
そこで今回は「アコギの録音」をテーマに、いろいろなことを見ていきましょう。
ギターを録音してみよう – エレキギター博士
アコギってどうやったら良い音で録音できるの?色々な機材を使って比較してみた!
手軽なスマホからガチのコンデンサマイクまで、いろいろなものでアコギの録音を試しました。さすがに高級なマイクは生々しい音が録れますが、スマホの音もなかなか健闘していますね。
まず、アコギを録音するための基本的な方法をチェックしましょう。
録音には「ライン録り」と「エアー録り」があり、エアー録りには「オンマイク」と「オフマイク」があります。
サウンドを追求する本格的な録音では、ライン録りとオンマイク、オフマイクのエアー録りを同時に行い、ミックスでバランスを取ります。

「ライン録り」は、楽器からケーブルを直接レコーダーに接続する方法です。
弦やボディの振動を直接とらえるため、クッキリとした力強い、また硬質な音が録音できます。
「エアー録り」は、マイクで音を拾う方法です。
空気を振動させた音を録音するので、自分が耳で聞いている音に近い、また柔らかい音が録音できます。
ちょっと離れているように見えるが、これは「オンマイク」。アコギでのオフマイクは、もっと離れた場所にマイクを設置することも。
「オンマイク」はマイクを楽器に近づけ、また「オフマイク」は遠ざけて録音する方法です。
オンマイクでは楽器の発する直接音を多く拾うことから、迫力のあるサウンドが得られます。
オフマイクでは空間を飛び交う反射音(リバーブ)を多くキャッチするため、広がりのある繊細なサウンドが得られます。
あまりの腕前から「悪魔に魂を売った」と噂されたブルースの伝説的ギタリスト、ロバート・ジョンソン氏(1911~1938)。
1936年の録音セッションで部屋の隅(壁)の方を向いて演奏したという逸話が伝わっており、これがやがて「壁に向かい、その反射音を利用して録音した」という有名な俗説へと発展しました。
研究者の間では、壁を向いたのは奏法を他人に見せないためなどとも言われ、これが録音テクニックだったという確証はありません。
とはいえ、ギターや口からの直接音と壁からの反射音を組み合わせるという発想自体は、録音において十分に応用が利くもの。
機材の性能に頼らずとも、柔軟な発想でオリジナリティのある音を作れる、ということの好例と言えるでしょう。
では、録音の準備に入りましょう。
そのためにまず、音を記録/保存する設備「レコーダー」が必要です。
スマホを楽器に向けるだけでも、じゅうぶん良い音は録音できます。
しかし専用機器を利用すれば、もっとレベルの高い録音が可能です。
ここでは、初めての人でも気軽に利用できそうなアイテムを見ていきましょう。
「ハンディ・レコーダー」は、文字通り片手で持てる小型のレコーダーです。
会議や授業を録音するのに大変便利なアイテムですが、音楽用に高音質な録音ができるハンディ・レコーダーが多くリリースされています。
録音をコレで気軽に行い、PCなどにUSB接続して後で編集、という技が使えます。
近年は録音レベルの破綻が起こりにくい「32bitフロート録音」に対応したモデル(ZOOM「H1essential」シリーズなど)も増えており、入力レベル設定に悩まずアコギを録れるのが魅力です。
「マルチトラック・レコーダー(MTR)」は、多重録音の専用機器です。
現在ではPCやスマホでも同じようなことはできますが、専用機器だからこその安定性と作業性、また持ち出しやすさ、認証やインストールといった入口の面倒がないことなどから、根強い支持を集めています。

Focusrite「Scarlett 2i2(第4世代)」
現代の録音では、PCで録音するのがプロでもアマでも一般的です。
PCをレコーダーとして使用するためには、マイクや楽器を接続するための「オーディオインターフェイス」が必要です。
しかしこれに加えて音楽制作専用の「DAWソフト」が必要となります。
オーディオインターフェイスの選び方とおすすめモデル – DTM博士
「ギターやマイクをスマホに接続できないものか?」そんな思いに応えるべく、スマホ/タブレット専用のオーディオインターフェイスも開発されています。
こちらの分野では、iOS機器に向けた製品が大多数という情勢です。
マイクは、空気の振動である音を受け止め、電気信号に変換してレコーダーに送るアイテムです。
「音から信号への変換」が行われるとき、サウンドにわずかながら変化が起こります。
すなわち、マイクによって音が変わるのです。
そんなわけで、今度はいろいろなマイクを見ていきましょう。

エレアコなどに内蔵されているピックアップも、広い意味でマイクと同じものです。
エレアコは年々進歩しており、近年では本格的な録音でしか聞けなかったようなクオリティの高いサウンドが得られるピックアップシステムが注目を集めています。
サウンドホールに取り付けるタイプのマグネティック・ピックアップは電池が不要で、サウンドホールに挟み込むだけで使えます。
アコギの音は楽器の振動が空気を通して聞こえてくるものですから、「最も『生』に近い音が録れるのは、エアー録り」だと言われます。
いつも自分が聴いている通りの音が録音できるのが大きなメリットですが、自宅の録音では生活音が入り込んでくる、また衣ずれや足踏みまで録音してしまうことがあるため、それなりの注意が必要です。
スマホやタブレット内蔵のマイクは高性能ではありますが、音の入り口が物理的に小さいところが注意点です。
デバイスに対応するマイクを取り付けることで、録音のクオリティを飛躍的に向上させることができます。
「ダイナミックマイク」は、ライブの現場で良く見かけるタイプのマイクです。
音を受け止める振動版が内蔵されており、ここの振動を電気信号に変換する構造です。
湿気や衝撃に強く、また電源を必要としない使いやすさがメリットです。
「コンデンサーマイク」は、コンデンサーの原理を利用し、音の振動を電圧変化に変換するとかなんとか、難しいことをやるマイクです。
一般に入手できるマイクの中では最も素直な音で録音できますが、湿気や衝撃に弱く、また「ファンタム電源」という特別な電源を必要とするため、扱いにはある程度の注意を要します。
以上、いろいろなデバイスをチェックしていきました。
ノイマン「U87Ai」やゼンハイザー「MD 421-II」に象徴されるように、録音においては「高いものを使うと良い音になる」という残酷な考えが一般的です。
しかしながらこれらのデバイスも所詮は道具にすぎず、高い性能は使う人間によってのみ発揮されます。
まずは無理のない予算の範囲内で、道具を使う技術をしっかり積み上げてください。
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