完成品や生地を並べて、イメージに合うデザインを探します。
「お気に入りのギターには、かっこいいストラップを使いたい」と考える人は多いのではないでしょうか。あるいは「普通のストラップだと、長すぎて使いにくい」、またはその逆という人も。特にアコギのストラップは短く使うことが多く、小柄な人の場合「いちばん短くしても、まだ長い」ということが多く見られます。ぴったりのものがなかなか売っていないなら、オーダーで作ってもらうのが近道かもしれません。
そんなわけで今回は、「ギターのストラップも、オーダーできるよ!」というお話です。前回ギターをオーダーした依頼者さんに引き続き同行し、オーダーの模様をお伝えします。「意外と気軽にオーダーできる」ということ、そして「作る楽しさ」がお伝えできれば幸いです。
ストラップをオーダーできるメーカーは多く、ストラップ専門のメーカーだけでなく、レザークラフトや布製品のメーカーなどもこの分野に参入しています。アーティスト御用達のメーカーでは、有名アーティストと同じものをオーダーすることもできます。
今回、依頼主さんは「Elara Straps(エララ)」を選びました。機能性とデザイン性に加え「ギターが岐阜県産だから、ストラップも岐阜で」とのことです。
「Elara Straps」は、岐阜県郡上市、Ksound小林楽器店を経営する小林夫妻がプロデュースしているブランドです。2000年代前半に流行した「Hippie Strap(ヒッピー・ストラップ)」にオマージュを込めて、プロの酷使に耐える頑丈さ、良好な使い心地の両立を目指したストラップを製作しており、ヴィンテージと現行という新旧のジャガード織を表地に、裏地は機能で選ぶ2タイプでラインナップを展開しています。
《レビュー&取材》プロユースのギターストラップ「Elara Straps」 – ギターニュース.com
オーダーの呼び方は各社でいろいろですが、次のような呼び方でだいたい通用します。
革製のストラップはデザインに自由度が高いため、フルオーダーを受注するメーカーもあります。今回オーダーするエララでは、表地のジャガード織の幅、金具類の寸法などの基本設計が固定で、ベルトの長さとパーツの組み合わせを指定する「セミオーダー」を受け付けています。
セミオーダーでは材料や作る作業がレギュラー品と変わらないので、レギュラー品と同じ値段で手に入れることができます。「オーダーだから値上げする」ということもありません。フルオーダーの場合はデザインから始めますから、価格にデザイン料が加わります。やはりオーダー内容によりけりですが、フルオーダーでは価格が高くなる傾向にあります。
オーダーの方法は各社さまざまで、用意された選択肢から好きな仕様を選んでいったり、希望するデザインと寸法をやりとりしたり、スタッフさんと対面で打ち合わせたりします。布地を持ちこんでの注文を受け付けるメーカーもあり、各社に個性が見られます。パーツの組み合わせが決まっていれば、電話やネットで気軽に注文することもできます。
エララでは、
が指定できます。
さっそくオーダーストラップの検討に入ります。依頼者さんは「ギターに合うデザインのものが良い」という思いこそあれ、工房にあるものの中から選ぶつもりでいたようです。まずは完成品や材料をどんどん出してもらい、表地のジャガード織を選びます。
Elaraの事務所にギターを持ち込み、まずは相性の良いジャガード織を探します。
可愛い柄から落ち着いた渋い柄まで、様々な生地が選べます。
依頼主さんは赤いステンドグラス模様がお気に召した様子。これに合わせる裏地と革を選んでいきます。
革に箔押しするロゴのカラーも選べます。これだけあると、見ている側も楽しくなります。
ここで決めた内容を確認して、正式に依頼します。
すべての仕様が決まるまでに、だいたい20~30分くらいでした。
待つこと数日。注文通りのストラップが完成しました。表の生地はヴィンテージ・ジャガード織を日本の技術で再現した、赤い「ステンドグラス」模様、裏地はレクサスの内装にも使われる東レ製「ウルトラスエード」の赤、革はホワイトでロゴは「コッパーカラー」、ピン穴サイズは「ロックピン仕様」。長さも指定できたんですが、今回は「ふつう」です。かわいらしいポーチに収められての受け渡しです。
ステンドグラス柄で白い革にコッパーのロゴは、初めての組み合わせなのだとか。ロックピンも取り付けてもらいました。
ギターと合わせた様子。
アウトプットジャックは、ストラップと喧嘩しない良い具合の配置です。
しっかりとした重量感のある金具。
先日ギターをオーダーしたのですが、ストラップはElaraと決めていました。ギターに合うストラップができて、満足しています。しかし、こういう金具がしっかりしたストラップを、アコギにつけたままケースに収めるのは心配です。ストラップは毎回着脱したいし、ギターの落下事故は全力で防ぎたい。それゆえロックピン前提でギターをオーダーしました。
どんなポーチで渡されるかも、このブランドでは楽しみです。ストラップ、ポーチともに良いものを作っていただき、ありがとうございました。
「パーツの組み合わせ」とはいえたくさんの選択肢があり、また組み合わせ次第で印象がガラリと変わるのが意外な発見でした。オーダーできる内容は予想以上にフレキシブルです。また、オーダーという製品企画を通して、作る楽しさが感じられた取材でした。メーカーさんもどんなストラップを作るかを楽しんでいて、依頼主さんは納得できるまで打ち合わせができた様子でした。完成品は注文通りでなお、予想以上の出来栄えでした。
今回は素材の組み合わせのみ、というオーダーでしたが「長さを指定できる」というのは大きなポイントではないでしょうか。特に今回のエララのように裏地の機能性も重視しているストラップでは、裏地が肩に触れてこそ、本来の性能を発揮できます。あなたはどんなストラップが欲しいでしょうか。自分にぴったりのストラップを探している人はぜひ、ストラップのオーダーを検討してみてください。
今回お世話になりましたElara Strapsさんより、読者の皆さんにプレゼントをいただきました!
Elara Straps ロゴプリントTシャツ:L/M各1名様(写真はサンプルです)
プレゼントをご希望の方は、当サイトのお問い合わせページから、
お名前とメールアドレス、住所を記入の上、「その他」をチェック、
メッセージ本文を「アコースティックギター博士 エララ プレゼント応募」で始め、
をご明記のうえ、送信してください。
応募の締め切りは2020年2月29日です。
当選者の発表は発送をもって代えさせていただきますが、当選した人は、ぜひご自分のSNSで盛大に自慢してください。ご応募、お待ちしております!
(※個人情報はプレゼント送付以外の目的には使用いたしません。いただいたメールは、抽選後に全て削除します。)