Martin弦の選び方とおすすめモデル解説[記事公開日]2026年5月23日
[最終更新日]2026年05月28日

Martin弦

アコギの王道と称されるMartin(マーチン)は、弦の分野でも王道の地位を築いています。マーチンのギターにはやはりマーチンの弦が最もマッチしますし、他のメーカーのギターに張っても素晴らしい響きが得られます。

ラインナップは AUTHENTIC ACOUSTICの4本柱を軸に、上位ライン「Martin Era Treated」「Luxe by Martin Kovar」、ヴィンテージ系の「The Original」「RETRO」、シグネイチャーの「Clapton’s Choice」、入門価格の「Darco Acoustic」と幅広く展開されています。]種類が多くて選びにくいかもしれませんので、今回はマーチン弦の全体像をざっと見しながら、選び方のヒントを探していきましょう。


Martin Strings in Mexico
私たちが作っています!
コンピュータ制御の最新設備と度重なるシビアな検品を経て、マーチン弦は世界へと出荷されます。

アコースティックギター弦の選び方ガイド

弦の選び方の基本

弦の個性は、1に「材料(巻線)」、2に「製法や設計」、3に「ゲージ」の3つの要素で決まります。このうち 「ゲージ」を先に決めておくのがおすすめです。同じゲージ内であればナット溝や弦高の再調整がほぼ不要で、だいたい同じ弾き心地で演奏できるからです。

まずは「ゲージ」を検討する

Martin弦のゲージ
パッケージの左側を見れば、ゲージが分かる。

今使っているゲージの音色や感触を確認して、上げた(太く/硬く)方がいいのか、下げた(細く/柔らかく)方がいいのか、このままでいいのかを検討してみてください。なお、最もオーソドックスなゲージは 「ライト(12-54)」です。

ハードにストロークする、音量が欲しい、ダウンチューニングを使う、こういうスタイルの人はゲージを1段階アップしてもいいかもしれません。ソフトなタッチで演奏する、リードプレイやソロギターが多い、Fコードの2弦が鳴らない、こういった人はゲージを1段階下げてもいいかもしれません。ただし弾きやすさと引き換えに、音量と音の伸び、またチューニングの安定度がちょっとだけ損なわれます。

マーチン弦のゲージ展開
マーチンのスタンダードなゲージはこの4種類。このほかライトとミディアムの中間など、こだわりのゲージもある。

「材料(巻線)」で音色も結構変わる

Martin弦の素材
材料は、パッケージの右側を見ると分かる。

3弦以降の巻き線の材料によって、サウンドは大きく異なります。マーチン弦の現行ラインナップでは、巻線の材料は大きく以下の5系統に整理されています。

  • 80/20 Bronze(ブロンズ):銅80%/亜鉛20%の合金。見た目が明るく、中域が豊かに響くオーソドックスな響き。
  • 92/8 Phosphor Bronze(フォスファー・ブロンズ):銅92%/スズ8%にリン少量を含む合金。見た目はやや暗めで、高域と低域が特によく響き、ブロンズより寿命がやや長い。
  • Monel(モネル):ニッケルと銅の合金。1930年代に使われていた素材で、温かみのある自然なトーン。「RETRO」シリーズに採用。
  • Kovar(コバール):ニッケル+コバルト合金。マーチンが新たに弦に採用した素材で、クリアなトーンと耐腐食性を両立。「Luxe by Martin Kovar」専用。
  • Silk系(シルク混合):芯線にシルクを巻きつけて張力を抑えた構造。柔らかな感触とメロウなトーンが持ち味。「Silk & Steel」「Silk & Phosphor」に採用。
💡 定番は「80/20 Bronze」と「92/8 Phosphor Bronze」 フォスファー・ブロンズの方が長持ちしますが、価格がちょっと高く、張力は僅かにアップし、感触がちょっとだけ硬くなります。

マーチン弦、各モデルの特徴

ではさっそく、マーチン弦の各モデルを見ていきましょう。マーチン弦は総じてタッチの柔らかさと豊かな低音域を持っていますが、製法や設計、時には材料まで変化させた幅広いラインナップが展開されています。

なお、12弦用のゲージはエクストラライト(10-47)が基本ですが、下記「SP弦」のブロンズにだけライトゲージがあります。

カテゴリ 主なモデル 巻線材質 特徴
最上位ライン Martin Era Treated
Luxe by Martin Kovar
92/8 Phosphor
Kovar
新世代のフラッグシップ
AUTHENTIC ACOUSTIC SP
Marquis Silked
Lifespan 2.0
Flexible Core
80/20・92/8 Phosphor 中心 現行スタンダードの4本柱
コンパウンド弦 MA130S Silk & Steel
MA130FX Silk & Phosphor
シルク+銀メッキ銅
シルク+銀メッキ Phosphor
マーチン最柔の弾き心地
ヴィンテージ/スペシャルティ The Original
RETRO
Clapton’s Choice
Titanium Core
80/20
Monel
92/8 Phosphor
チタン芯
時代別・素材別の個性派
入門・低価格 Darco Acoustic 80/20
92/8
Phosphor
マーチン傘下のお値打ちブランド

最上位ライン

2022年以降に拡張された、マーチン弦の新世代フラッグシップです。コーティング・コア・巻線素材それぞれに最新技術を投入し、AUTHENTIC ACOUSTICシリーズの上位に位置付けられています。

AUTHENTIC ACOUSTIC(現代のスタンダード4本柱)

マーチン弦の現行ラインナップの中核を担うシリーズです。共通のコンセプトを持ちつつ、用途別に4種類が展開されています。

コンパウンド弦(非常に柔らかい)

「コンパウンド弦」とは、巻弦の芯線にシルクを巻きつけ、その上に巻き線を巻きつけた弦です。柔らかなシルクで太さを稼いでいるぶんだけ張力が抑えられ、柔らかなタッチで演奏できます。エクストラライトよりさらに柔らかい弾き心地が特徴です。

ヴィンテージ/スペシャルティ

時代別の仕様再現や、独自素材を採用した個性派のシリーズです。

入門・低価格

以上、マーチン弦の特徴を見ていきました。気になる弦はありましたか?良く分からないうちはひとまず王道の「SP弦」にしておいて、ゲージの決定から入りましょう。