これから始めるアコースティックギター、どれを選ぶか、最高にワクワクしますね。「ピン!と来たものを選べばよい!」というのが当サイトの提唱する大原則です。でもその前に、そのための判断基準になるであろういくつかの視点、またこれから始める人にお勧めのアコギをいくつか見ていきましょう。
自分のアコギを持っていない段階では、何が弾きやすいのか、どれの音が良いのか、なかなか判断できないかもしれません。演奏動画を観ればだいたいの音は分かるかもしれませんが、録音環境や演奏内容、プレイヤーの力加減などいろいろあります。ですから動画で確認できる音には、ふわふわした要素が含まれていると思ってください。その中でアコースティックギターを選ぶ要素として、
この2点を見ていきましょう。
ギターにかっこいいとか、かっこ悪いとかがあるのか?という話はさておき、世の中にはいろいろなギターがあるんだよ、というお話です。ギターのルックスを「シンプル系」と「ゴージャス系」に分けて見ていきましょう。さてあなたは、どちらの方がかっこいいと感じますか?
Paul McCartney – Young Boy (Dir: Alistair Donald)
アコギに「王道」があるとすれば、このマーチン「D-28」で間違いありません。木材の色をそのまま使ったオーガニックなカラーリングと控え目な装飾は、素朴とも機能美とも見ることができます。また、左利きの人はこのポール氏のように左利き用のギターを使いましょう。強弱、タイミング、音色など、ピッキングによる感覚的な操作は利き手で行なうのが自然です。
The Rolling Stones – Saint Of Me (No Security Tour, San Jose ’99)
ステージ映えやアーティスト性の主張のため、ギターにはさまざまな装飾が施されることがあります。その代表がギブソン「Hummingbird(ハミングバード)」です。赤みを帯びたボディのカラーリング、大胆なピックガードとその装飾、指板やヘッドに輝くインレイなどが、ギターと弾き手の存在感を主張します。
間近でアコギを見ると、「意外とでっかい楽器なんだな」と感じるかもしれません。弦の振動を増幅するためには、ある程度のボディサイズが必要なんです。そんな中、現代のアコギにおいて「標準的」と考えられているボディサイズは「ドレッドノート」です。動画で紹介した「D-28」と「Hummingbird」もドレッドノートの部類で、なかなかの大きさです。しかし、標準になるのは誰でも弾けるからです。身長が150cm以上あれば、ややでっかく感じるであろうドレッドノートもじゅうぶん演奏できます。反面、小ぶりで可愛らしいアコギにも支持が厚く、大きいとか小さいとかは、好みで決めてしまってだいたい大丈夫です。
正しく構えて、両手が弦に届き、肩がきゅうくつでなければ、大きすぎではありません。ぜひショップでチェックしてみてください。
魅力を感じたギターに「ケース」「ストラップピン」「ピックアップ」、この3つがあるのかないのか、これについてはチェックしておきましょう。この3つはオマケではなく、ギターの価格に含まれます。開発段階で不要と判断されることも、価格を抑えるためにあえて非採用とされることもあります。後述の例では、YAMAHA「STORIA」にはケースなし、ARIA「500」シリーズには3つともなし、Epiphone「Hummingbird」両モデルには全部ありです。
これらはあなたにとって不要かもしれませんし、後から必要になってもどうにかなります。よって、ルックスのかっこよさに比べたら、後回しでも大丈夫です。
ハードケース
ギターを外に持ち出す予定があったらケースが必要になります。しかし裸のギターを持ち歩くのも、ワイルドでクールです。付属するとありがたいですが、無くても「選べる」という楽しさが味わえます。しっかりしたハードケースを選んでも良いし、近年のギグバッグには洒落たデザインや可愛らしいカラーリングのモデルがいろいろあります。なお、ケースにもサイズがいろいろありますから、適合するかどうかの確認が必要です。
ボディエンド側のストラップピン
立って弾く予定があったら、ストラップが必要です。ヘッドにくくりつけても良いですが、現代ではストラップピンを使うのが一般的です。ほとんどのアコギでボディエンドには付けられますが、ネック側には付けられることも、そうでないこともあります。取り付けには専門的な木工技術が必要ですから、必要ならプロのリペアマンに付けてもらいましょう。
ライブ会場のPA(音響設備)などにつなげてスピーカーで鳴らす予定があったら、ピックアップが必要です。マイクを直接ギターに向けても良いですが、その場合は周りの音まで拾ってしまわないような工夫が必要です。アコギに付けるピックアップには、カンタンに取り付けられるものと専門的な技術が必要なものとがあります。
ケース同様にピックアップも「選べる」のはメリットですが、選ぶ時には専門家の意見も聞いておきましょう。
ケースやストラップ、カポタストなどさまざまなグッズをまとめた「初心者セット」は、まとめて安く買えるのが第一のメリットです。また、今後どのようなグッズが必要になるかわからない、その用心ができるのが第二のメリットです。セットの主軸となるギターには予算に応じたグレードがあり、またどんなものが付属するかなどで、さまざまな初心者セットが販売されています。
デメリットがあるとすれば、ほとんどの場合でグッズは選べないことです。初心者セットでは、ほとんどのグッズが「黒」です。黒はキリっとしてるし服装と衝突しない安心感がありますが、ストラップには黒以外にもいろいろなカラーがあり、いろいろなデザインがあり、布製のものも革製のものもあります。またカポタストにも、色が選べるものがあります。愛用品は選びたいという人は、ぜひしっかり悩んでみてください。
これだけはそろえよう – アコギを弾くのに必要なアイテム
ではこここから、これから始める人向けのアコースティックギターを見ていきましょう。いろいろありますが、フィーリングの合ったモデルを選べば大丈夫です。なお、初心者向けだからといって、安ければ良いというわけではありません。むしろ初心者だからこそ、加工精度や調整作業、また部品の耐久性に対してある程度の予算がかけられている、ちょっと良いギターを選んだほうが安心です。お手元に届いた状態ですでにチューニングが正確で、弾きやすく、そして長く使えるからです。
ヤマハ「STORIA(ストーリア)」シリーズは、「週末にギタリスト気分を味わいたい人向け」をコンセプトに、家具と衝突しないシンプルなデザインと、受け入れやすいちょうどよいサイズ感を両立させた、新しいコンセプトのギターです。標準的なドレッドノートより、ボディ幅/ボディ厚共にやや抑えられ、ネックはエッジを丸く整えて弦高を抑えられていて、これから始める人にそっと寄り添うように作られています。
デザインも深く考えられており、3モデルそれぞれの装飾に違いが設けられているほか、塗装にはマットなサテン仕上げと輝くグロス仕上げの2タイプがあり、ボディ内部にも色が付けられています。内側の塗装はデザイン面だけでなく、吸湿を防ぐ機能的な目的もあります。また電池を必要としないパッシブタイプのピックアップが内蔵されているので、ライブステージで爆音の演奏が可能です。
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《あなたに寄り添う、かわいいアコギ》YAMAHA「STORIA」
AD-515 N
アリア「500」シリーズは、ボディトップもサイドもバックも単板の「総単板」で作った本体を、圧倒的なコストパフォーマンスで実現させたギターです。総単板で作られたギターは軽量で響きが良く、グレードの高いギターの絶対条件と考えられています。これを売価で6万~7万円近辺という価格でリリースできるメーカーは、なかなかありません。
500シリーズは、ボディにドレッドノートと00(ダブルオー)の2種、それぞれにサイド/バック材にローズウッドとマホガニーの2種があり、また全モデルのカラーバリエーションにナチュラルとタバコサンバーストの2種があります。ピックガードが同梱されており、付けるか付けないかを選ぶことができます。スタイルによっては付けない方が良いですが、これから始める人は付けた方がいいでしょう。
「500」シリーズを…
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エピフォン「Hummingbird」は、ギブソンのハミングバードをエピフォンのフォーマットで再現したモデルです。撮影しがいのあるカラーリング、指板やピックガードの装飾もしっかり再現しており、存在感じゅうぶんです。見た目にゴツいギターですが、弦長を抑えた設計なので弾きやすく、初心者さんが初めて手に入れるギターとしても理想的です。
両モデルともピックアップが付けられているのでこのままステージに上ることもできます。なお、「PRO」はトップ単板、「Masterbilt]は総単板です。
Epiphone Hummingbird Pro Electro Acoustic Review – The Best Epiphone Acoustic?
Hummingbirdを…
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Epiphone(エピフォン)のアコースティックギター徹底分析!
モーリス「R-011」は、上の3つをしっかり備えつつ、お財布に優しい低価格を達成した、入門機にふさわしいエレアコです。プリアンプまで備わっているので、PAに送る音を積極的に作ることができるほか、チューナーが備わっていて便利です。
またカラーバリエーションが豊富で、定番のナチュラル、サンバーストほか全6種類から選べます。赤、青、黒、緑はボディトップとヘッドを同じ色にする「マッチングヘッド」、赤、青、緑はサイド&バックもトップと同じ色、緑は外周の色調が濃いバースト仕様、というようにそれぞれのカラーリングに個性があります。
R-011を…
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RF-K7-OVA
K.YAYRIは、「日本製」と「手づくり」にこだわったギター製造が世界的に評価されているブランドです。そのため低価格化がなかなか困難だったのを、見事に解決したのが「Kシリーズ」です。カラーバリエーションこそありませんが、木製ピックガードとツヤを抑えたマットな仕上げには、木そのものが持つ味わいが感じられます。また独自構造「エアリー・ブレーシング」採用により、豊かな響きが得られます。こちらにはギグケースが付属し、ストラップピンとピックアップは非搭載です。
ゼマイティス「CAF-80HCW」は、ハート形のサウンドホールが特徴のエレガントなエレアコです。やはりケース、ストラップピン、ピックアップともに備わっています。ふつうのアコギを見なれた目ではかなりインパクトの強いデザインですが、サウンドはオーソドックスなところを狙っているので、どんな現場でも安心して演奏できます。こちらもチューナーの付いたプリアンプを備えているので、たいへん便利です。カラーバリエーションは、ナチュラル、デニムブラック、フォレストグリーンの3色です。
CAF-80HCWを…
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以上、初心者さん向けのアコースティックギターについて、いろいろチェックしていきました。「いろいろ見せられても、色くらいしか違いが分かんないよ」という人もいるでしょう。わかります。そういうものです。
アコギはエレキギターより歴史が古いこともあって、基本のところは完成の域に達している楽器です。各社がそれぞれ趣向を凝らしつつも、オーソドックスなところから大きくは逸脱しない感じのところに落ち着くわけです。だから、最初はルックスだけで選んでしまっても、その選択が誤りだったということにはなかなかなりません。長く愛することのできるギターをしっかり選んで、最高のスタートを切ってください。
アコギ初心者セットの売れ筋を…
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