アコギってどうやったら良い音で録音できるの?色々な機材で比較してみた!![記事公開日]2020年10月27日
[最終更新日]2021年06月18日

ギターのピックアップからライン録り

エレアコなどに内蔵されているピックアップも、広い意味でマイクと同じものです。エレアコは年々進歩しており、近年では本格的な録音でしか聞けなかったようなクオリティの高いサウンドが得られるピックアップシステムが注目を集めています。ここでは、アコギに後付けできるピックアップを見ていきましょう。

IK MULTIMEDIA「iRig Acoustic Stage」

iRig Acoustic Stage

アイケー・マルチメディア (IK MULTIMEDIA ) の「 iRig(アイリグ)」は、アコギのボディに取り付けるMEMSマイクロフォンと、外部プリアンプDSPユニットを組み合わせです。MEMSマイクロフォンはサウンドホールに引っ掛けるだけで使用できるためギターに加工を必要とせず、使う時だけ取り付ければ良い手軽さがあります。ただし、力強いストロークなどでこのマイクをぶっ叩かないだけの注意は必要です。

IK Multimedia iRig Acoustic – Supernice!DTM

FISHMAN「NEO-D Single Coil Magnetic Soundhole Pickup」

NEO-D Single Coil Magnetic Soundhole Pickup

フィッシュマン(FISHMAN )の「NEO-D 」は、サウンドホールに取り付けるタイプのマグネティック・ピックアップです。弦の音のみをキャッチすることから、引きしまったサウンドが得られます。ボディの振動を拾わないのでスラム奏法は封じられますが、ボディに触れる時のさまざまなノイズから解放されるメリットもあります。理論上はエレキギターのピックアップと同じ構造なので、ハウリングに注意しながらもギターアンプで鳴らすこともできます。

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L.R.Baggs「Element VTC」

Element VTC

エルアール・バッグス(L.R.Baggs )の「エレメントVTC(Element VTC)」は、アンダーサドル・ピエゾピックアップと1V1Tのプリアンプとの組み合わせです。一般的なピエゾピックアップはサドルが受けた振動のみを受け止めますが、エレメントはピエゾ素子がボディ内面に触れる設計になっており、ボディ振動もキャッチできます。これにエアー録りの音を再現できる「Tru-Mic」を組み合わせたのが、博士の使っている「アンセム(Anthem)」です。

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マイクで録音(エアー録り)

アコギの音は楽器の振動が空気を通して聞こえてくるものですから、「最も『生』に近い音が録れるのは、エアー録り」だと言われます。いつも自分が聴いている通りの音が録音できるのが大きなメリットですが、自宅の録音では生活音が入り込んでくる、また衣ずれや足踏みまで録音してしまうことがあるため、それなりの注意が必要です。

スマホに取り付ける高性能マイク

スマホやタブレット内蔵のマイクは高性能ではありますが、音の入り口が物理的に小さいところが注意点です。デバイスに対応するマイクを取り付けることで、録音のクオリティを飛躍的に向上させることができます。

ZOOM「iQ7」

iQ7

ZOOMの「iQ7」は、Lightningコネクターで接続するタイプのiOS機器専用のコンデンサーマイクです。異なる方向を向いた二つのマイクにより、演奏の臨場感と空気感をしっかりとらえることができます。接続端子は長さの調節が利くので、多くの場合スマホケースを装着したままでも使用できます。

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BOYA「BY-PM700SP」

BY-PM700SP

ボーヤ(BOYA)の「BY-PM700SP」は、PCに加えて、iOS機器やAndroidスマートフォンにも対応したUSBマイクです。Lightning Micro USB、Type-C Micro USB端子のケーブルがそれぞれ付属しており、手に入れてすぐに録音を始めることができます。直立させることもできる台座が付いているので、マイクスタンドかなくても安心して録音できます。

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ダイナミックマイク

「ダイナミックマイク」は、ライブの現場で良く見かけるタイプのマイクです。音を受け止める振動版が内蔵されており、ここの振動を電気信号に変換する構造です。湿気や衝撃に強く、また電源を必要としない使いやすさがメリットです。

SHURE SM57/SM58

SHURE SM57

SURE(シュアー)の「SM57(ゴーナナ)」および「SM58(ゴッパー)」は、ライブ/録音両面で活用できるダイナミックマイクの超スタンダードです。価格も手ごろなので、一本持っておいても決して損はしません。一般に「57」は楽器向け、「58」はボーカル向けと言われていますが、

  • SM58:ポップフィルターを内蔵しており、「パピプペポ」の発音がきれいに録音できる
  • SM57:ポップフィルターがない分だけ、楽器に接近できる

という違いがあり、こうした設計の相違からSM57の方が超高域を多くキャッチでき、音抜けがちょっと上回っています。

SHURE SM57
SHURE SM58 – Supernice!DTM

SENNHEISER「MD 421-II」

SENNHEISER MD421-II

「ゼンハイザー(SENNHEISER)」の「MD 421-II」は、「クジラ」の愛称で親しまれる、ダイナミックマイクの決定版です。特に「アタックのピークに対しての耐性や低音のスピード感に優れる」と言われ、ライブでもレコーディングでも盛んに登用されます。ただしなかなかに高額なので、最初の一本としては我慢した方が良いでしょう。

SENNHEISER MD421-II – Supernice!DTM

コンデンサーマイク

「コンデンサーマイク」は、コンデンサーの原理を利用し、音の振動を電圧変化に変換するとかなんとか、難しいことをやるマイクです。一般に入手できるマイクの中では最も素直な音で録音できますが、湿気や衝撃に弱く、また「ファンタム電源」という特別な電源を必要とするため、扱いにはある程度の注意を要します。

BEHRINGER「B-5」

BEHRINGER B-5

ベリンガー(BEHRINGER)の「B-5」は、求めやすい価格帯を実現させた楽器用のコンデンサーマイクです。低価格ながら全方向の音を拾う「無指向性」と正面を中心に拾う「単一指向性」を切り替えて使うことができます。このB-5のように音の入り口を小さくとっている「スモールダイアフラム」型は、フラットな特性でマイクの個性が出にくく、かつキレの良い音になりやすい傾向があります。

BEHRINGER B-5 – Supernice!DTM

audio technica「AT4040」「AT4050」

audio technica AT4040

オーディオテクニカ(audio technica)の「AT4040」と「AT4050」は、広いダイナミックレンジ、スピード感に溢れるサウンドを可能とした高性能マイクです。日本のメーカーだという点も、気になる人には大きなポイントです。「4040」は単一指向性で輝きのある高域を持ち、「4050」は無指向性と単一指向性を切り替えられ、かつ落ち着きのある低域を持っています。このような音の入り口を大きくとった「ラージダイアフラム」型は、低域が豊かに響く色気のある音になりやすく、楽器にもボーカルにも使用されます。

audio technica AT4040
audio technica AT4050 – Supernice!DTM

AKG「C414 XLS」「C414 XLII」

C414 XLS

アーカーゲー(AKG)の「C414 XLS」ならびに「C414 XLII」は、指向性を9段階で操作できる高性能コンデンサーマイクです。「XLS」が標準機で、「XLII」は高域の伸びが増強されています。マイクスタンドに取り付けるためのホルダーやボーカル録音に必須のポップガードなど、必要なものが堅牢なケースに一式そろえられているのがありがたいポイントです。

AKG C414 XLS
AKG C414 XLII – Supernice!DTM

NEUMANN「U87Ai」

U87Ai

ノイマン(NEUMANN)の「U87Ai」は、グレードの高いコンデンサーマイクの定番中の定番機種です。かすかなニュアンスも逃さないクリアかつナチュラルな音像は、オーケストラのレコーディングまで余裕でこなします。ちゃんとしたレコーディングスタジオなら必ず一本は持っている世界のスタンダードですが、若い人なら月収を上回るほどの、憧れの高級マイクです。いつかはノイマン。

Neumann U87Ai – Supernice!DTM

結局どれがいいんだ!

以上、いろいろなデバイスをチェックしていきました。ノイマン「U87Ai」やゼンハイザー「MD 421-II」に象徴されるように、録音においては「高いものを使うと良い音になる」という残酷な考えが一般的です。

しかしながらこれらのデバイスも所詮は道具にすぎず、高い性能は使う人間によってのみ発揮されます。まずは無理のない予算の範囲内で、道具を使う技術をしっかり積み上げてください。