タカミネのエレアコ:多彩なモデルと仕様[記事公開日]2021年8月4日
[最終更新日]2026年10月5日

タカミネのエレクトリック・アコースティックギター(エレアコ)は国内では長渕剛氏が、海外ではジョン・ボン・ジョヴィ氏が、黒いタカミネをトレードマークにしています。
それゆえ「タカミネといえば黒」というイメージを持っている方も多いかもしれませんが、もちろん色々なバリエーションがあります。
タカミネのギターは渋い色調が多く、シックで堅牢な印象を感じさせます。
またさまざまなサイズのボディがあるので、弾きやすさやサウンドなどで選択する幅が広く取られています。

モデル名の意味

タカミネの国内向け製品に付けられる品番は、基本的には
「プリアンプ名」+「3桁の数字」+「特筆事項」
で構成されています。

プリアンプ名は3つのアルファベットでコード化されており、

  • DMP:CT4-DX:拡張性のある高性能プリアンプ
  • FPT:CTF-2N:初期のエレアコに搭載された「ブラウン・プリアンプ」をリメイクしたプリアンプ
  • PTU:CT-4BII:シンプルなプリアンプ
  • TSP:CT-IIIN:100 Series Thinlineに搭載されるプリアンプ

の4種類があります。

「561」「041」など3桁の数字は、
「ボディタイプ」+「グレード」+「弦の種類」
を意味しています。
「ボディタイプ」には0から8までの番号があり(6にあたる600シリーズは現在のラインナップにありません)、「グレード」は価格を表していますが、これは仕様まで規定しているものではなく、マテリアルにはいろいろあります。
「弦の種類」は「1」ならスチール弦、「0」ならナイロン弦ですが、一部例外があります。

「特筆事項」では、

  • カッタウェイモデル:C
  • ボディ材にハワイアンコアが使われている:K
  • アーチトップ仕様:A
  • ピックアップ増設済み:DC

というように暗号化されます。

※「ワールドスタンダードシリーズ」のモデル名は海外仕様に準拠しているため、規則性は曖昧になっています。

タカミネ・エレアコのラインナップ

タカミネがリリースするエレアコのラインナップは多くのモデルがありますが、スチール弦の6弦モデルはナット幅42.5mmが共通で、弦長にはロングスケール(644mm、約25.4インチ)とショートスケール(630mm、約24.8インチ)にまとまっています。
それに多様なボディタイプが加わり、たくさんの選択肢が用意されています。
ネック材はほとんどのモデルがマホガニーで統一されていますが、ボディ材にはいろいろなバリエーションがあります。
サペリがボディに使われるモデルが多いほか、ホンジュラスマホガニーをトップに使った「DMP571MC-DC」「DMP471M-DC」のようなモデルもあります。
各シリーズの最高グレード(「DMP500」のように3桁の数字が「00」で終わるモデル)は、基本的にはボディがオール単板で、指板にエボニーが使用されます(カタログなどの表記で「SOLID」とされているものが単板、そうでないものは合板になります)。
エレガット(ナイロン弦モデル)では、スチール弦モデルとは異なるナット幅/弦長のものもあります。

シリーズ ボディ幅 弦長 ナット幅 主な現行モデル
500シリーズ 400mm 644mm 42.5mm DMP500
FPT561C
PTU541C
200シリーズ 400mm 644mm 42.5mm DMP200
DMP251-DC
PTU241C
800シリーズ 408mm 630mm 42.5mm DMP800
FPT861C
PTU841C
100シリーズ 380mm 630mm 42.5mm(12弦は47mm) DMP100K
FPT181AC
PTU141C
100 Series Thinline – 630mm(ナイロン弦は650mm) 42.5mm(ナイロン弦は47mm) TSP178AC
TSP138C
TSP148NC
300シリーズ(ナイロン弦) 370mm 650mm 51mm DMP370NC
PTU340N
700シリーズ 390mm 644mm 42.5mm DMP700
FPT752C
PTU741
400シリーズ 360mm 630mm 42.5mm DMP400
DMP471M-DC
PTU441
000シリーズ 435mm 644mm 42.5mm DMP000
FPT051C
PTU041C

それではタカミネのエレアコにはどんなものがあるのか、チェックしてみましょう。

500シリーズ(ボディ幅400mm、弦長644mm)

タカミネ500シリーズDMP500、DMP561C BL、DMP551C WR、PTU541C(2015年当時のモデル)

ドレッドノートとほぼ同じサイズを持った、タカミネの代表的なシリーズです。
容量の大きなボディはキュっとくびれているため、大きさの気にならないスマートな印象になり、バランス重視の明瞭なサウンドが得られます。

指板などのインレイも豪華な最高グレードの「DMP500」は、オール単板スプルーストップ/ローズウッドサイド/バックのピックガードレス仕様になっています。
以下のようにプリアンプやボディ材にバリエーションがあります。

  • FPT561C:スプルース単板トップ/サペリサイド&バック
  • DMP552C:スプルース単板トップ/ローズウッドサイド&バック
  • DMP571MC-DC:ホンジュラスマホガニー単板トップ/マホガニーサイド&バック(コンタクトピックアップ内蔵)
  • DMP551C:シダー単板トップ/サペリサイド&バック
  • PTU541C:スプルース単板トップ/ローズウッドサイド&バック
  • FPT531KC:ハワイアンコアトップ/サイド&バック
  • PTU531C:シダー単板トップ/サペリサイド&バック

長渕剛 – LONG LONG TIME AGO (「ACOUSTIC LIVE」より)
長渕剛氏のファンは、親愛を込めて「剛」と呼びます。剛のライブを支えるのはいつもタカミネ。クローシャンヘッド(片側六連ペグ)の黒いタカミネは剛のトレードマークになっています。

200シリーズ(ボディ幅400mm、弦長644mm)

タカミネ200シリーズDMP200 N、DMP281-DC N、DMP261C WR、PTU241C(2015年当時のモデル)

タカミネの解釈によるドレッドノートが200シリーズです。
本家ドレッドノートとほぼ同じサイズのボディで、このシリーズのみ、どのグレードもスプルース単板トップ/ローズウッドサイド&バックで統一されています。
最高グレードの「DMP200」は華美なインレイを抑えた実直な作りになっています。
これに次ぐ「DMP251-DC」は、エボニー指板を採用し、またコンタクトピックアップが内蔵された「デュアルモード」になっています。

800シリーズ(ボディ幅408mm、弦長630mm)

タカミネ800シリーズDMP800 DAS

200シリーズより若干大きいドレッドノートタイプのボディに、弦長が短くコードを押さえやすいネックを挿入したモデルです。
弦長を下げたことから弦の張力が落ちて弾きやすくなりますが、そのぶん弦振動のパワーが弱くなってしまいます。
これに対してボディを大きめにすることで、パワフルなストロークに余裕で応えるキャパシティを持たせています。
最高グレードの「DMP800」はサペリ単板サイド&バックで、「ダブルハート」指板インレイが豪華な印象を演出しています。

100シリーズ(ボディ幅380mm、弦長630mm)

タカミネ100シリーズDMP100、DMP181AC(2015年当時のモデル)

500シリーズと近い外観を持ち、ボディサイズと弦長を抑えたモデルです。
抱えやすく弾きやすいためライブパフォーマンスも展開しやすくなります。
最高グレードの「DMP100K」はトップ&サイド&バックにハワイアンコアを使い、トップとバックをアーチ状に仕上げた異色のエレアコです。
それに次ぐ「FPT181AC」はサイド&バック材とネック材にメイプルをセレクトしたアーチトップ仕様になっており、ジャズギターのような雰囲気を醸し出しています。
以下12弦仕様やハワイアンコアトップ&サイド&バックのモデルなど、仕様はバリエーションに富んでいますが、ピックガードがないことで統一されています。

100 Series Thinline

タカミネTSP138C NTSP138C N

100シリーズの名を冠した、薄胴ボディのシリーズです。
プリアンプにはCT-IIIN(TSP)を搭載しています。
以下のようにボディ材やアーチ仕様、ナイロン弦モデルなどのバリエーションがあります。

  • TSP178AC:メイプルトップ/サイド&バック(トップ・バックともアーチ仕様)
  • TSP178ACK:ハワイアンコアトップ/サイド&バック(トップ・バックともアーチ仕様)
  • TSP138C:スプルース単板トップ/サペリサイド&バック
  • TSP148NC:シダー単板トップ/サペリサイド&バックのナイロン弦モデル(弦長650mm、ナット幅47mm)

300シリーズ(ボディ幅370mm、弦長650mm、ナット幅51mm)

DMP370NC NDMP370NC N

一般的なクラシックギターのスタイルを持ったエレガットが300シリーズです。
弦長は一般的なクラシックギターと同じ650mmです。
弦にしっかりとした張りがあり、ソロギターに限らずラテンやボサノヴァなどでのアンサンブルでも抜ける音を出します。
最高グレードの「DMP370NC」のほか、シダー単板トップの「PTU340N」がラインナップされています。

700シリーズ(ボディ幅390mm、弦長644mm)

タカミネ700シリーズDMP700 N

マーチンで言う所の「000(トリプルオー/オーディトリアム)」に近いオリジナルボディで、中低域の豊かなレンジの広いサウンドを持っています。
各弦のバランスにも優れており、繊細なプレイや軽快なコード弾きに威力を発揮します。
最高グレードの「DMP700」はスプルーストップ/ローズウッドサイド&バック仕様で、装飾が抑えられておりシンプルかつ上品な印象です。

400シリーズ(ボディ幅360mm、弦長630mm)

タカミネDMP400DMP400 N

タカミネラインナップのなかで最もコンパクトなシリーズがこの400シリーズで、マーチンでいうところの「00(ダブルオー/グランド・コンサート)」に相当します。
抱えやすさや弾きやすさから技巧派プレイヤーに好まれる他、ブルーズ/ラグタイムなどレトロなサウンドが求められるプレイヤー、またそのサイズ感から女性や子どもにお勧めできるモデルです。
最高グレードの「DMP400」はハワイアンコア単板のトップ&サイド&バックで、温かく軽やかなサウンドです。

000シリーズ(ボディ幅435mm、弦長644mm)

タカミネ000シリーズDMP000 N、DMP051C SAS(2015年当時のモデル)

17インチを僅かにオーバーする、タカミネのラインナップ内で最大のボディ幅を持つシリーズです。
ハードなプレイも受け止めるボディから発する音量感は圧倒的で、ストリートでも生音が響き渡ります。
最高グレードの「DMP000」は全体的に装飾が抑えられたスプルーストップ/ローズウッドサイド&バック仕様です。
続く「FPT051C」は、ブリッジピンを使わない「スルーブリッジ」を採用しており、また指板のポジションマークを排しているので、大変スッキリとした印象になります。

ワールドスタンダードシリーズ

「ワールドスタンダードシリーズ」は、イーグルスのグレン・フライ氏シグネイチャーモデルをはじめ、「多くのトッププロに選択されている海外のベストセラー」のラインナップで、モデル名も海外の表記に従っています。