Martin Xシリーズ:手の届きやすいマーチンのエレアコ[記事公開日]2026年10月3日
[最終更新日]2026年10月6日

Martin Xシリーズ 左から D-X2E(Ziricote Burst)、D-X1E(Koa)、000-X2E(Brazilian Rosewood)、GPC-X1E(Black)

マーチンのXシリーズは、ボディにHPLという紙と樹脂の複合素材を使ったエレアコのシリーズです。
フルサイズのマーチンを手にする入口として、もっとも手の届きやすいシリーズのひとつとなっています。
今回は、このXシリーズに注目していきましょう。


  1. Xシリーズの特徴
  2. Xシリーズのラインナップ

Behind The Design: X Series
マーチンの楽器設計チームのRameen ShayeganとTim Teelが、HPLの柄の選び方や弾き心地の改良について語っています。

Xシリーズの特徴

Xシリーズは、どこへでも持ち出せる頑丈さ、見た目の良さ、手頃な価格をひとつにまとめたエレアコのシリーズ。
初めてギターを持つ人から現役のミュージシャン、手頃な価格でマーチンを手にしたい人に相応しいラインナップとなっています。

ボディのHPLは木材の単板と比べて温度や湿度の変化に強い素材です。
教室でのレッスン、屋外での演奏、ツアーや旅行、毎日の練習と、単板のギターでは気を遣うような場面でも気兼ねなく使えます。

Martinの中でXシリーズはどんな位置づけ?

マーチンのラインナップは、Standard、X、Road、Modern Deluxe、Junior、Authentic、15、16といったシリーズで構成されています。

Standardシリーズは、ペンシルベニア州ナザレスの本社工場製です。
一方のXシリーズは、Backpacker、Roadシリーズ、Dreadnought Juniorなどと同じくメキシコ・ソノラ州ナボホアにあるマーチンの自社工場で製造され、ほかのマーチン製ギターと同じく、専門の訓練を受けた職人が手作業で組み上げています。

マーチンには、ミニギターのリトル・マーチン(LXシリーズ)もあります。
Xシリーズは、このリトル・マーチンをフルサイズにし、ピックアップなどの装備を加えたシリーズにあたります。

コンパクトなJuniorシリーズと比べても、Xシリーズは通常のギターと同じ大きさのボディを持っています。
入門向けのシリーズでありながら、グラミー賞を受賞したブルーグラスのギタリストがシグネチャーモデルのベースに選んでいます。

HPLって何?

HPLは「High Pressure Laminate(ハイプレッシャー・ラミネート)」の略です。
紙と樹脂を非常に高い圧力で固めた複合素材で、表面にマホガニーやローズウッド、コアといった木目柄をプリントし、保護用のクリアコートで仕上げています。
紙と樹脂でできているため、木材のように乾燥で割れたり、湿気で反ったりといった心配が少ないのが強みです。
ヘッドプレートもボディのHPL柄に合わせて仕上げられます。

音の方向性は?

素材は現代的でも、Xシリーズのサウンドと弾き心地はまぎれもなくマーチンのものです。
ボディ内部には、全モデル共通で5/16インチのスプルース材によるスキャロップドXブレイシングを採用。
力木の一部を削り込み、トップが振動しやすいように仕上げたマーチン伝統のブレイシングです。

音のキャラクターは、ボディサイズによって変わります。

  • D(ドレッドノート):大きな音量と遠鳴り、力強い低音。ジャンルを問わない
  • GPC(グランドパフォーマンス・カッタウェイ):遠鳴りとバランスの良さに、低音の厚み
  • 000(オーディトリアム):6本の弦すべてでバランスの取れた鳴り
  • 00(グランドコンサート):澄んだ高音に、温かい低音
  • 0(コンサート):澄んだ歯切れの良い高音に、繊細な低音

アンプにつないだときの音づくりは、マーチン純正のピックアップシステム「E1」が担います。
コントロールはボリューム、トーン、フェイズの3つで、クロマチックチューナーを内蔵しています。
フェイズスイッチは信号の位相を180度反転させるもので、ハウリングを抑え、低音を増やします。
チューナー使用中は出力がミュートされるため、ステージ上でも音を出さずにチューニングできます。

X1とX2の違いは?

Xシリーズの型番は、「X1」と「X2」の2系統に分かれます。
いちばん大きな違いはトップ材です。

X1はトップ・裏・側板のすべてがHPLです。
ネックはバーチ積層、指板とブリッジはリッチライトで、ボディから指板まで、温度や湿度の変化に強い素材で構成されています。

X2はトップにサテン仕上げのスプルース単板を使っています。
裏・側板はHPLです。
ネック、指板、ブリッジにはセレクテッドハードウッドを使い、木の指板とブリッジによって、一般的なアコースティックギターに近い感触が得られます。

弦の振動をいちばん大きく受けて鳴るのはトップです。
ここが木の単板になるX2は、アコギらしい響きを求める人に向いています。

Xシリーズのラインナップ

では、Xシリーズのラインナップをチェックしていきましょう。

E1ピックアップシステム搭載、スキャロップドXブレイシング、モーティス&テノン(ほぞ接ぎ)のネックジョイント、防水のソフトシェルケースが全モデル共通です。
また全モデルにPLEK(プレック)によるフレットすり合わせが施され、出荷時から弾きやすく整えられています。
弦は同社のAuthentic Acoustic Lifespan 2.0(フォスファーブロンズ、ライトゲージ)が張られて出荷されます。

X2

X2は、トップにスプルース単板、裏・側板にHPLを使うモデルです。

X1

X1は、トップ・裏・側板のすべてにHPLを使うモデルです。

以上、Martin Xシリーズをチェックしていきました。
Xシリーズは、マーチンの音を気兼ねなく外へ連れ出せるギターです。
ケースを背負ってレッスンに通う人、屋外で弾く人、ツアーに持ち出すプロ、毎日の練習から旅先、ステージまで連れ出せるマーチンです。