《妥協のない小型ギター》MARTIN「LITTLE MARTIN」&「JUNIOR」[記事公開日]2021年2月6日
[最終更新日]2021年02月11日

LITTLE MARTIN LXK2 Little Martin

高級ギターブランドの首位に君臨するマーチンですが、求めやすい価格帯の小型ギターのラインナップも充実しています。いわゆるミニギターは「子どもが持つもの」や「おもちゃ感覚で扱うもの」と見なされることもありますが、マーチンはこの分野でも妥協のない製品をリリースしています。マーチンのミニギターは大人でも充分に愛着がわくどころか、プロの使用にも耐えられるクオリティを持っています。今回は、マーチンの本格派ミニギター「リトル・マーチン」および「ジュニア」両シリーズに注目していきましょう。


Martin LX1 Demo – Top 5 Travel Guitars
このサイズゆえの軽やかな響きですが、マーチンらしいどっしりとした低音域もしっかり出ています。

LITTLE MARTIN

「リトルマーチン・シリーズ」は、かわいらしいルックスと、何より音が良いところがポイントで、子供用やお出かけ用、またちょっとした練習用のギターとしてうってつけです。普通サイズのギターを部屋に置きたくないという「大人が選ぶギター」としても人気で、マーチンの名に恥じないクオリティがありプロミュージシャンの使用例もあります。


Ed Sheeran – The A Team (Live on the Honda Stage at the iHeartRadio Theater NY)
エド・シーラン氏は、自分にしか書けない深い歌詞とリトルマーチンをトレードマークに、英国の音楽シーンを席巻したシンガーソングライターです。デビューシングル「The A Team~飛べない天使たち~」は60万枚のセールスを記録し、氏は一気にスーパースターの仲間入りを果たしました。

リトルマーチンの特徴

リトルマーチンは、ドレッドノートと000(トリプルオー)の中間くらいの独自のボディ形状を採っており、マーチンの発明したXブレーシングが採用されています。そのため小学校低学年からでも抱えられるような小さなギターから、マーチンのギターとして納得できるトーンが得られます。

人工素材を積極的に採用

LITTLE MARTIN:ボディバック

リトルマーチンは全モデル共通して、サイド&バックとヘッドの化粧板、モデルによってはトップ材までHPL(ハイプレッシャー・ラミネート。板状の人工物)、また指板とブリッジにリッチライト(人工エボニー)、ナットにコーリアン(人工大理石)、サドルにホワイトタスク(人口象牙)というように、人工素材が積極的に採用されます。ネック材の「バーチ・ラミネート」は、スライスしたバーチ材を張り合わせた積層材ですが、かつては人工素材「ストラトボンド」と呼ばれていました。

これら人工素材は天然素材に比べて安定的に仕入れることができ、個体差なく総じて頑丈です。音響性能を考えると、頑丈すぎるものは鳴りが渋くなりがちです。しかしミニギターはレジャー先での使用などで荒っぽく扱われることが想定されますから、頑丈な素材でできているのは大きなメリットなのです。

ショートスケールながら、音高は正確

弦長は23インチで、ふつうサイズのギターで2フレットにカポタストを装着するのとだいたい同じです。一般に、弦長は短くなればなるほど弦張力が落ちて押さえやすくなるものの、正確な音高を得るにはフレットの打ち方や整え方など、ふつうサイズ以上の加工精度が求められます。そのためリトルマーチンは妥協のないキッチリとした調整を経て出荷されます。また、頑丈にできているたその調整を長期間にわたって維持できますから、「子どもの音楽教育」にも役立てることができます。

「リトルマーチン」のラインナップ

現在のリトルマーチンは、トップ材や意匠の異なる3タイプを基に、ラインナップを展開させています。タイプ別にチェックしていきましょう。

定番機種「LX1」「LX1E」

LITTLE MARTIN LX1E LX1E Natural

「LX1」は、マホガニー柄HPL製サイド&バック、シトカスプルース単板トップの仕様で、リトルマーチンでは定番の地位にあるモデルです。単板トップの恩恵により、このサイズながら豊かなサウンドが得られます。「LX1E」は、これにフィッシュマン「ソニトーン」ピックアップシステムが搭載されます。

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特別仕様機「LX1R」「LX1RE」

LITTLE MARTIN LX1R LX1R

「LX1R」は、ローズウッド柄HPL製サイド&バック、シトカスプルース単板トップの特別仕様機です。ロゼッタにはレーザーでヘリンボーン柄が刻まれ、指板にポジションマークが埋設され、ベッコウ柄のピックガードが付けられます。サウンドはLX1と変わりませんが、ピックガードが貼り付けてあるぶんだけトップの振動が抑制されるので、わずかながら音量が落ちます。しかしこのピックガードのおかげで、ピックでガンガン弾いても心配ありません。「LX1RE」は、これにフィッシュマン「ソニトーン」ピックアップシステムを載せたエレアコ仕様です。

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総HPLボディ機「LXK2」&「LX Black」

LITTLE MARTIN LXK2 Little Martin LXK2 Little Martin

「LXK2」は全面コア材柄、「LX Black」はネック裏も含めて全面黒塗りの、トップ/サイド/バックともにHPL製のモデルです。ピックガードはありませんが、HPLはとても頑丈な素材なので、ピックで乱暴にストロークしても表面のペイントがはがれるだけでほぼ無傷です。なお、HPL自体が黒い素材です。LXブラックは、こすれたりキズがついたりしても、ずーっと真っ黒です。ロゼッタのヘリンボーン柄は印刷なので、使い方によっては削れていきます。
トップにもHPLが使用されていることから、木製トップのLX1やLX1Rよりサウンドはおとなしめです。生鳴りが抑えられてハウリングしにくいことからエレアコにはうってつけですが、今のところエレアコ仕様機はありません。

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JUNIOR

「ジュニア・シリーズ」は、通常モデルとリトルマーチンのちょうど中間くらいのサイズで仕上げた小型ギターです。弦長は24インチで、普通のギターの1フレットにカポタストを装着したのとだいたい同じくらいです。ボディ厚も1センチほど抑えられており、「身長150~160cmのプレイヤーに最適」と云われます。

10万円近辺という、マーチンとしてはかなり思い切って抑えた価格帯でありながら、ボディは総単板、ネックはハードウッドというスペックで、通常モデルに引けを取らず、マーチンの気合いが感じられます。

なお、指板とブリッジにはリッチライト、ナットにはコーリアン、サドルにはホワイトタスク、ヘッドの化粧板にはHPLというように、人工素材も多く採用されています。


Martin DJr 10E Demo
ふつうサイズでは「D-18E(45万円くらい)」に相当するモデル。安いし場所を取らないし、コレで十分かつ最高だと感じる人も多いことでしょう。

「ジュニア」のラインナップ

では、ジュニアのラインナップを見ていきましょう。総じて「10」の数字が付けられていますが、これはマーチン社の基準で、「艶消しのサテン仕上げ」モデルであることを意味します。

000JR-10/000CJR-10E

MARTIN 000CJR-10E 000CJR-10E

「000JR-10」は、キュッとくびれたウェストを持つ「000(トリプルオー)」タイプです。ウェストのぶんだけボディの容積はドレッドノートよりやや少なめで、アルペジオやリードプレイに良好な、繊細なトーンを持っています。このボディ形状でサペリサイド&バック、シトカスプルーストップという構成から、イメージとしては「000-18」を小型化したモデルです。

「000CJR-10E」は、これにフィッシュマン「ソニトーン」ピックアップシステムを載せ、またカッタウェイを施しています。

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DJR-10-01/DJR-10E-01

MARTIN DJR-10-01 DJR-10-01

「DLR-10-01」は、マーチンの代名詞「ドレッドノート」タイプです。容積の大きなボディは、ピック弾きでも指弾きでもしっかりとした低音が得られます。ボディ厚については、ソファにくつろぎながら抱えることを想定し、ちょっと抑え気味に設計されています。

「01」はボディ全面サペリ仕様で、イメージとしては全面マホガニーボディの「D-15M」を小型化したモデルです。「DJR-10E-01」は、これにフィッシュマン「ソニトーン」ピックアップシステムを載せています。

DJR-10E Street Master

「DJR-10Eストリートマスター」は、上記モデル「DJR-10E-01」を荒っぽく使いこんだ感じを演出したモデルです。オールマホガニーの「15」シリーズにも、同様の仕様が見られます。楽器本体の仕様は「DJR-10E-01」と同じですが、ところどころ摩耗した感じの塗装「マホガニー・バースト」に加え、ネック裏にもマホガニー調の塗装、ヘッドの化粧板にサペリを使用、またヘッドロゴが印刷ではなく、上位モデルと同じ「オーバーレイ式」を採るという、貫禄あるドレスアップが施されています。


DJR-10E StreetMaster
録音の方法も、弾き手の腕前もあることでしょうが、小型のギターとはにわかに信じがたい迫力あるサウンドです。

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DJR-10-02/DJR-10E-02

MARTIN DJR-10-02 DJR-10-02

「DJR-10-02」は、シトカスプルーストップのドレッドノートで、イメージとしては「D-18」を小型化したモデルです。ドレッドノートの迫力ある鳴りに、スプルースの鋭さが加わった、まさに王道のサウンドです。「DJR-10E-02」はこれにピックアップを載せたエレアコ仕様です。

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