サウンドメッセ2017取材レポート!《アコースティック編》[記事公開日]2017年5月12日
[最終更新日]2022年03月31日

Ibanez

Ibanezブース

多くのアーティストが愛用するエレキギターで知られている「Ibanez(アイバニーズ)」は、アコースティックに絞って出展していました。
「魅力あるギターを生み出す使命」Ibanezメールインタビュー

真空状態で加熱処理する「サーモエイジド」を施した木材を採用したモデルは、外見だけでなく音までヴィンテージの雰囲気が醸し出され、カラッとした音色と軽い立ち上がりのある楽器になっています。また楽器の響きを損なわないよう、ボタン電池で駆動する小型のプリアンプを備えていて価格も抑えられていることから、多くの来場客の関心が寄せられていました。国産の上位モデルも評判は上々で、いろいろな人が試奏していました。



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エレクトリックウクレレ(エレウク)にも力を入れており、今年からテナーが新登場。大きすぎないボディは抱えやすく、ストラップがなくても平然と演奏できます。ウクレレには珍しく、テナーにはトラスロッドが入ります。

外見的な差別化を図りにくいアコースティックという分野で、「いかにかっこいい楽器を作るか」は重要な課題。Ibanezではさまざまな木材の雰囲気に加え、エレキで定番化した「ツリーオブライフ」指板インレイが強みになっています。

Ibanezアコースティックアンプ

今年リリース予定のアコースティックアンプは、来場客でにぎわう会場のデモ演奏に充分な音量が得られます。ギターとヴォーカルなど2チャンネル同時に使用でき、各個にエフェクトがかけられ、スタンドにマウントすることもできます。遊び心のあるカラーリングを施したギターも展示されていますが、絵本の一場面を見ているかのようです。

Taylor

Taylorブース

最新鋭の加工技術を駆使し、またメンテナンス性も重視した合理的な設計をコンセプトとする「Taylor(テイラー)」は、
・同じ木材で異なるボディシェイプ
・同じボディシェイプで異なる木材
という二つの展示をメインに、定番機や新作など数多く並べていました。木材に応じて厚みやブレーシングを変更するなど、キメの細かい設計はさすが。

Taylorサウンドホール

良いものは躊躇なく取り入れ、休むことなく進化していくラインナップ。バックブレーシングを斜めに走らせるのは、このボディ形状による音響特性を考慮した新しい設計です。基本的に全機種エレアコですが、プリアンプのイコライザーを全てセンター位置で使用するのが、テイラー社の考える最も良い音なのだそうです。

Taylorアカデミーシリーズ

今後展開していく「アカデミーシリーズ」は、「弾きやすいギターで練習を続けてほしい」というコンセプトで作られました。これから始める人のための、練習が辛くならない、上達をしっかりと支えてくれるギターとして完成しています。テイラーギターの特徴をしっかり受け継いだ設計、売価で10万円を下回る低価格、扱いやすいシンプルな本体、チューナー内蔵、弾きやすい確かな調整、そして何よりも、「アームレスト(エルボーカット)」が採用されているのが大きな特徴です。低価格モデルにエルボーカットを採用できたのは、テイラーのこのモデルが初めてです。

GS-mini

アジア圏内だけでも12万本を売り上げたという人気シリーズ「GS-mini」。ミニギターでありながら、ちゃんと鳴ってくれる頼もしい楽器です。

TAKAMINE

TAKAMINEブース
ライブでの酷使に耐えるしっかりとしたエレアコでありながら、生音もしっかり鳴ることを持ち味とする「Takamine」。定番機やショウモデルの展示、アーティストのデモ演奏などでにぎわっていました。白い変形(写真中央)は「V」ではなく「A」で、80年代に生産していたものの復刻版。大阪人のツッコミをしっかりと受け止めていました。新機種「TDP700M-TT(下段右端)」は、熱処理を加えた「サーマルスプルース」をトップ材に採用。倍音豊かな生音が響きます。

TAKAMINEウクレレ

昨年11月より、ウクレレのラインナップも展開しており、ライブで使用するアーティストの支持をさっそく集めています。やはりタカミネらしく、エレアコ(エレウク)になっています。エレウクのハイグレードモデルをリリースするのはこのブランドならではですが、生音も軽やかに響きます。「ゼロフレット」を採用しているのが珍しいポイントで、ピエゾで各弦をバランスよくピックアップできるよう、各弦の張力を調節してあるという「エレウクを考え抜いた設計」は、さすがというほかありません。