アコギ用プリアンプ・エフェクターの選び方とおすすめ[記事公開日]2024年11月28日
[最終更新日]2026年05月31日

アコギ用プリアンプ/エフェクター

エレキギター用のデジタルエフェクターが高機能・高音質になるにつれ、アコースティックギターの世界にもその波がしっかり届くようになり、専用のエフェクターや高品質なエフェクトを内蔵したプリアンプが各社から多数登場しています。
アコギ用やアコギ・エレキ兼用のエフェクターは、エレキよりも広い帯域を持つアコギに最適化された設計が多く、エレキ用をそのまま流用するよりも自然な結果が得やすいのが特徴です。
ここではアコースティックギターのライン出力に欠かせないプリアンプ・DIから単体エフェクターまで、フロアタイプの機材を広く紹介します。

アコギ用エフェクターを使う目的

純粋なアコギらしいナチュラルな音色に変換する

アコギに使う外部機器として、真っ先に名前が挙がるのが「プリアンプ」です。
プリアンプはピックアップからの微弱な信号を増幅し整える役割を果たします。
しかしアコギ用プリアンプではその役割以上に音質変化の部分を期待されている製品が多く、ピックアップから直接引き出した音を純粋なアコギらしいナチュラルな音色に変換するという、アコギ用特有の役割を担います。

エレアコの場合は本体にすでにプリアンプが付いていることが普通ですが、それだけでは十分な質感が得られないため、多くのギタリストは外部にもう一台用意するのが定番です。

空間系エフェクトで空気感をコントロール

エフェクトはその名の通り音に効果を与えるもので、掛ける理由としては「音量・音質を整える」「音色をきれいにする」といったものが多数。
エフェクトをうまく使うことで、聴きやすく演奏しやすい音に整えたり、その場の空気感を支配することができます。
アコースティックギターは生の音色をそのまま増幅するのが基本となるため、エレキでおなじみの歪み系などはまず使うことがなく、コーラスなどを掛けるときも深くは掛けないことがほとんどです。

アコギによく使われるエフェクト

アコギ用エフェクターの筆頭「プリアンプ」

アコギ用プリアンプの定番、FISHMAN「AURA SPECTRUM DI」
ピックアップからの信号に、スタジオで録音したようなサウンドをミックスできる。

アコギの音色を作る頭脳とも言うべき部分がこのプリアンプです。
音を増幅し、ミキサーへ直接入力できる出力レベルにまで高めるのが主要な機能ですが、それに加えて、ピックアップからの音をマイク録りしたかのような、空気感のある自然な音色に変化させるための機能が備わっています。
各社その部分のブラッシュアップにしのぎを削っており、アコギ用プリアンプを使う最大のメリットもそこにあります。

ライン出力する際に先頭に導入するのが定番で、チューナーが付いていたり、エフェクトが複数搭載されていたり、マルチエフェクターのようになっている製品もあります。
製品によって得意なピックアップが違うことも珍しくありません。

コンプレッサー

コンプレッサーは、大きい音量の音を圧縮して抑えることで、小さな音と揃えるのが本来の目的です。
全体の音量を一定に近い状態で聴かせることができ、安定した聴き心地となります。
フィンガーピッキングとストロークが混在する曲や、ストローク/カッティングと単音ソロが同居する曲など、音量バランスが崩れやすいケースで使うと効果的に働きます。
プリアンプに機能として付属していることも多く、ライブでは掛けっぱなしにしているギタリストも珍しくありません。

コンプレッサー・エフェクターの使い方とおすすめ – エレキギター博士

リバーブ

残響を与えるエフェクター。
カラオケのエコーを想像してもらうとわかりやすいでしょう。
単なる飾りと思われがちな残響成分ですが、クラシック音楽のように演奏される場所の残響が音楽の一部と見なされる場合もあり、奥深いエフェクトです。
深めにリバーブを掛けたソロギター演奏で、まるで森の中にいるかのような空間を作り出したり、歌に合わせてギターの残響を整えてやることで、空間的な一体感を作り出したりと、音色に様々な表情を与えることができます。
コンプレッサーと同じく、プリアンプに内蔵されていることが多いエフェクトです。

リバーブ・エフェクターの使い方とおすすめ – エレキギター博士

ディレイ


Strymon DIG Dual Delay w/ Martin Acoustics
アコギにディレイをかけることで、美しいアンビエンスが得られている

ディレイはやまびこを付加するエフェクターで、一度弾いたものが数回返ってくる効果があります。
リバーブとはまた違う、存在感のある残響が得られます。
一定のリズムに合わせて演奏することでリズミカルな音列を作り出す「付点8分ディレイ奏法」は、演奏手法の一つとして広く認知されています。

ディレイ・エフェクターについて – エレキギター博士

コーラス

音に揺らぎを与えるエフェクター。
浅めの揺らぎを原音に混ぜることで、独特の広がりを生み出すことができます。
浅い揺れをうっすらと掛けることで音色に広がりを与え、爽やかに彩ることができます。
特にストロークの演奏との相性が良く、歌の後ろの軽やかな16ビートのストロークなどには効果抜群です。

コーラス・ペダルの使い方とおすすめモデル – エレキギター博士

アコギ用エフェクターおすすめ製品

アコギのエフェクター選びは、まずプリアンプをメインに置き、エフェクトの搭載が必要かどうかを考えて選ぶと良いでしょう。
ギター側にプリアンプが付いていて機材を小さく抑えたい場合は、箱鳴りのシミュレーターを使うのも一手。
ギター側のピックアップと同じメーカーのものを選ぶと、メーカーが狙った音がそのまま得られるため最も無難です。
適したピックアップのタイプが指定されているプリアンプもあるので、それも参考にすると良いでしょう。

プリアンプ

アコギ用プリアンプの定番ブランドであるL.R. Baggsからは、伝統のPara DIに加え、スマートフォンと連携してギター固有の響きをIRで再現するVoiceprint DIといった先進機種までラインナップが揃っています。

プリアンプ兼エフェクター

エフェクトを複数搭載し、エフェクターとしての使用にも耐えられるモデル。
マルチに使えるため、様々な音を出したいとか、機材を一台に抑えたいという人におすすめ。
ボーカル兼ギターのエフェクターは弾き語り演奏者には嬉しい選択肢です。

シミュレーター

ピックアップで出力された音色を、マイクで拾ったような音色に変えてしまうもの。
空気感のある自然な音に変わるので、音色さえ変われば良いというギタリストには良い選択肢です。
プリアンプとしては貧弱なため、パッシブピックアップの場合は避けた方が無難です。

エフェクター単体製品

プリアンプと別系統で組みたい場合や、すでにプリアンプを持っているがリバーブ/コーラス/ディレイ/コンプだけ追加したい、というケースに向いています。
L.R. BaggsはAlign Seriesとして6機種を展開しており、アコースティック専用にチューニングされた1台を機能別に選べる時代になりました。

プリアンプ一つ取ってもかなりの選択肢があるため、どのようなエフェクトが欲しいのかなども含め、十分な吟味をして決める必要があります。
ピックアップから決める場合は、ピックアップとプリアンプをセットで決めると相性面で迷いません。